溶融亜鉛めっきを施した製品をRoHS指令に対応させたいとの要望がありますが、
一般に、溶融亜鉛めっきは、鉛の含有率が高くRoHS指令には対応できないといわれています。
地金の化学成分からRoHS指令対策まで説明します。
地金の化学成分
溶融亜鉛めっきで多く使用される蒸留亜鉛地金1種の成分は、下表の通りです。

PbとCdの含有率
RoHS指令は、10の有害物質の使用制限を決めた規則です。
溶融亜鉛めっきは、Pb、Cd共にRoHS指令の閾値より含有量が多いです。
鉛Pbは1000ppm以下(0.1%以下) < めっき槽1.3%
カドニウムCdは100ppm以下(0.01%以下) < めっき槽0.2%
※1000ppm=0.1%
RoHS指令対策
対策1:RoHS指令を満足する溶融亜鉛めっき業者を選定します。
例1-1)Pb、Cdの含有が少なくRoHSを満足する最純亜鉛地金を使用し、環境負荷物質を
ほとんど含まない溶融亜鉛めっきを行っている業者にめっきを依頼します。
溶融亜鉛めっき業者でも、発注量により対応していただける業者があります。

例1-2)RoHSを満足する日東亜鉛株式会社の「ピュアZ」を採用します。
ピュアZ
配管用鋼管、一般構造用鋼管並びに各種構造物の長物の溶融亜鉛めっき加工が
得意な業者です。

対策2:RoHS指令に対応し、溶融亜鉛めっき以上の耐食性を有する表面処理を選定する。
例) 溶融亜鉛アルミニウム合金めっき(JIS H 8643)は、耐食性に優れ、Pb、Cdが
ほとんど含まれません。
・耐食性が極めて優れています。
・溶融亜鉛めっきは塩水噴霧1,000時間で赤さびが発生しますが、
溶融亜鉛アルミニウム合金めっきは10,000以上でも赤錆の発生はありません。
・めっき皮膜は硬く、耐摩耗性に優れています。また、密着性にも優れています。
対策3:ステンレスなどの耐食性材料を選択する。
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