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6角穴付ボルトの棒レンチ締付けスペース(ねじ選定4)

ねじ

部品の強度やたわみは検討されますが、レンチやスパナの締付けスペースを考慮していますか?🐯
スパナやレンチで締付ける6角ボルトに比べ、6角穴付ボルトは締付けスペースを小さくできます。
強度も高く、品質的に優れており、いろいろな頭部形状も市販されて用途に応じて選択できます。

ここでは、6角穴付ボルトの特徴から、設計時に気を付ける締付けスペースまで説明します。

6角穴付ボルトの特徴

①6角穴付ボルトは、棒スパナによって穴全体に荷重を伝え強い力で締め付けできます
  →高い締結力でボルトのサイズダウンを図れます。
  →高い締結力でゆるみ防止による信頼性向上が図れます。
②6角穴付ボルトは、棒スパナで締付でき、スパナやレンチの広い締め付けスペース不要です。
  →機器、装置の小型化が図れます。
  →狭いスペースでの使用と作業性向上が図れます。
③ボルトの埋込が可能で意匠が良好です。
  →機器のデザイン性向上が図れます。

6角穴付ボルト(JISB1176)の強度区分

●ねじの呼び径は、ねじに加わる応力が保障荷重応力以下になるように選定します。
 市販の鋼製6角穴付ボルトのねじ強度区分は12.9
 ステンレス製6角穴付ボルトの強度区分はA2-70  が主流です。

ねじ強度区分12.9は、呼び引張強さ 1200N/m㎡0.2%耐力 1080N/m㎡(1200×0.9)
 および保障荷重応力 970N/m㎡です。

 呼び  有効断面積 
m㎡
  保証荷重  
N
  ピッチ  
mm
M35.04,8800.5
M48.88,5200.7
M514.213,8000.8
M620.119,5001.0
M836.635,5001.25
M1058.056,3001.5
M1284.381,8001.75
M16157.0152,0002.0
表1 ねじの呼びと保証荷重(強度区分12.9)

●ステンレス製ねじ強度区分A2-70は、呼び引張強さ 700N/m㎡0.2%耐力 450N/m㎡です。

 呼び  有効断面積 
m㎡
  0.2%耐力x有効断面積  
N
  ピッチ  
mm
M35.02,2500.5
M48.83,9600.7
M514.26,3900.8
M620.19,0451.0
M836.616,4701.25
M1058.026,1001.5
M1284.337,9351.75
M16157.070,6502.0
表1 ねじの呼びと保証荷重(強度区分A2-70)

6角棒スパナの使い方 と 注意点

●使い方
 ①長い方をボルト頭部に差込み、素早く回す
 ②短い方をボルト頭部に差込み、増し締めする。
 ③棒がたわむまで締める

●使用上の注意点
 ①スパナへの力の入れすぎ注意。棒スパナが破損します。
 ②スパナの先端は奥まで差し込む

棒スパナの寸法(JIS B 4648 6角棒スパナ)

ねじ径二面幅 B
スパナ呼びe
6角穴付ボルト棒スパナざぐり/ボルト穴
径最大
A / dk
高最大
E / K
長い方
短い方
穴径
D
穴径
 d‘
座深さ
H1
穴深さ
H2
M32.55.5356186.53.42.73.3
M4374632084.53.64.4
M548.5570259.55.54.65.4
M651068028116.65.56.5
M8613890321497.48.6
M10816101003617.5119.210.8
M121018121124020141113
M1614241614056261814.517.5
M2017302016063322018.521.5
表1 6角穴付ボルトの寸法

まとめ

●6角穴付ボルトの締付けスペースは、回転角度60度以上とする。

●6角穴付ボルトの締付けスペースは、ボルト径最大棒スパナの長い方が干渉しないスペースとする。

参考資料
TONE株式会社「知っとかないTONE」
京都機械工具株式会社 「工具の基礎知識」
JISB4648 六角棒スパナ

以上 最後まで見ていただいてありがとうございました。

ガオ

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初級設計者の一助になれば幸いです。

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