配電盤類では、十字穴付きタッピンねじ を部品の締結目的で使用します。
十字穴付きタッピンねじ の種類、特徴、寸法 について説明します。
十字穴付きタッピンねじ の概要

●配電盤類で使用する十字穴付きタッピンねじの呼び径は、3~6mmです。
●配電盤類で使用する頭部形状は、なべ・皿・丸皿・トラス・バインド です。
●ねじの頭部寸法は、十字穴付き小ねじと同じです。
⇒ ねじの種類から選定まで🐯十字穴付き小ねじ | ガオの筐体設計 設計の勘所
●ねじの呼び方は、名称、呼び径、呼び長さを並べて表します。
例 十字穴付き なべタッピンねじ4x10
●材質別の強度区分と引張強度は、表1の通りです。

小ねじ と タッピンねじ の特徴

タッピンねじ の種類

タッピンねじ の下穴径
・タッピンねじの下穴径は、作業性と締付強さとの関係で設定する。
作業性重視は大きめに、締付強さ重視は小さめに設定する。
・部材が薄板の場合、バーリングとする。
・部材が樹脂の場合、入口に面取りまたはガイドを設ける。
・ねじ込みトルクがねじる強さの1/3を超えないように下穴径を設定する。
・ねじ込みトルクが1の場合、雌ねじ破断トルクは3以上が望ましい。




タッピンねじ の頭部寸法

タッピンねじ の首下寸法

まとめ
特徴:ナットやタップの雌ねじが不要
下穴があれば、ねじ単独で使用でき、自身でねじ立てする。
利点:雌ねじを切る必要がないので、作業効率が良い
片側からねじの締付けができる(反対側でナットを固定する必要がない)
自身でねじを切っていくのでガタが無く、緩みにくい
欠点:取外しを繰り返すとねじ穴が広がる恐れがある。取外しが多い個所には向かない。
ねじを切る時に切粉がでるタッピンねじもある。
使用可能なねじ径が細い。(最大6mm程度)
使用例:薄板板金にブレーカをタッピンネジで固定する。(コストダウン)
樹脂成形品に部品をタッピンねじで固定する。
参考書籍
ねじ総合カタログ 東京鋲螺協同組合
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