キュービクル式高圧受電設備(以下キュービクル)の屋根勾配は、家屋と比べ緩いです。
キュービクルの理解を深めるため、家屋とキュービクルの屋根勾配を比較しました。
屋根勾配の比較
●キュービクル
JIS C 4620 キュービクル式高圧受電設備より
「7 構造及び機器 7.2外箱など c) 屋外用の屋根の傾斜は、1/30以上とする。」
=0.333/10 tanθ=1/30、θ≒2°

●家屋
家屋の屋根の勾配は大きく3つに分けられます。
緩勾配:0.5寸~2.5寸勾配 0.5/10~2/10 金属屋根 勾配1/10以上
並勾配:3寸~5寸勾配 3/10~5/10 スレート屋根 勾配3/10以上
瓦屋根 勾配4/10以上
急勾配:6寸勾配 6/10
⇒ <キュービクルの屋根勾配は、家屋(金属屋根)と比べ傾斜が小さい。>
構造比較の比較
●キュービクル
①屋根は、前面が高く後面が低い片流れ式が多いです。
正面扉を開放した際に、雨水が垂れるのを嫌ったものと推測します。
②屋根は、t2.3の鋼板1枚で継ぎ目がなく製作され、雨水が流れる際の抵抗が少ない。
③屋根の奥行は2400以下と短く、屋根面積も最大3㎡程度と小さい場合が多い。

●家屋
①金属屋根には、縦ぶき、横ぶきの種類があります。
②家屋の屋根の板材は、1~0.3㎜で、板を曲げて強度を出そうとしています。
③屋根面積が大きく、継ぎ目も多い



⇒<キュービクルの屋根は、家屋と比べ雨水が流れる抵抗は少ないが、
屋根の面積が小さいので降る雨水量も少なく、排水できている。>
まとめ
キュービクルの屋根は、家屋の金属屋根と比べて屋根勾配が緩いです。
勾配が緩いと、屋根の上の塵芥が雨に流されず固着し、雨水の流れを邪魔して
雨水を滞留させる場合もあります。
雨水の滞留は、錆のもとになりますので、
勾配を大きくして雨水を流れ易くし、塵芥が溜まらない様にした方が良いです。
以上 最後までお読みいただきありがとうございます。