配電盤類の板金筐体や部材は、板材を曲げて製作します。
曲げは「プレスブレーキ」による「型曲げ」と「パネルベンダー」による「押さえ曲げ」の
方法があり、「プレスブレーキ」が多く使用されます。
「プレスブレーキ」の曲げ金型について紹介します。
曲げ金型の知識は、設計したい曲げ形状の製作可否判断に必要です。
曲げ金型の種類
曲げ金型は、筐体や部材の形状に合わせてパンチとダイを選定し、組み合わせて使用します。
●パンチの種類
パンチは①先端角度、②逃げ形状、➂取付高さ によって分類できます。
①先端角度・・・鋭角曲げ用の30°・45° と 90°曲げ用の88°・90°があります。
90°曲げの0.5~2㎜は90°、2~3.2㎜は88°を用います。
②逃げ形状・・・様々な部品形状に対応できる逃げをもったパンチがあります。
後部だけに逃げがある標準・グースネック・ヘミング金型と、
前部にも逃げがあるサッシ用・直剣金型に別けられます。
➂取付高さ・・・下図➂の寸法
代表的な刃先形状として、標準、サッシ用、グースネック、直剣、ヘミング等があります。
●ダイの種類
ダイは、①溝の形状、②溝の幅 によって分類できます。
1Vダイは、サッシ用と板厚4㎜以上用です。
2Vダイは、~3.2㎜まで使用できるボトミング用です。
●金型長さの種類
金型は、1本物と分割タイプがあります。
分割パンチは、10-15-20-40-50-100-200-300 に分割されています。
曲げ作業は、金型交換が多いので、分割タイプは1本物と比べて軽く、作業効率が良いです。
●金型組合せ例
曲げ金型の干渉
2回曲げ以上行うと、ワークが金型に干渉する場合があります。
設計した形状がパンチに干渉しないか「リターンベンド限界グラフ」を用いて確認します。
参考文献
「精密板金入門シリーズ 曲げ金型ABC」 アマダ板金加工研究会
アマダホームページ(金型ワールド)