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キュービクルとは?🐯使用電線

電気

キュービクル式高圧受電設備(以下キュービクル)とは、電気事業者から高圧で受電するための
機器一式を1つの金属製箱に収めた受電設備です。
キュービクルでは、KIP、HIV、IV、EM-IE などの電線を使用します。

機器を配置設計する上で、電線の許容電流電線の曲げ半径がとても重要です。
電線について説明します。

使用電線の概要

●キュービクルでは、KIPHIVIVEM-IE などの電線を使用します。

●電線・ケーブルの許容電流は、配列、条数、敷設方法、周囲温度で大きく異なります。
 使用状況に合わせて許容電流を確認して下さい。
 気中敷設の場合、電線の間隔Sが電線直径dの3倍以上離れていれば電流低減率は1です。
 周囲温度による影響は、各電線により異なりますので各項を参照ください。

KIP

KIPは「JIS C 3611 高圧機器内配線用EPゴム絶縁電線」に規定されています。
●用途:6.6kVのキュービクル式受電設備用の高圧配線 に使用します。
    CB形は、38㎟以上を使用します。
       変圧器/計器用変成器/避雷器/高圧進相コンデンサなどの分岐配線は14㎟を使用可
    PF・S形は、14㎟以上を使用します。
●特性:導体最高許容温度:80℃
●許容電流値
 電線1本の場合の許容電流値を示します。
 電線カタログの周囲温度40℃と変圧器を加味した60℃より両方の許容電流値を示します。
 周囲温度が異なる場合は、周囲温度補正値を参考に補正してください。
 電線3本の場合、間隔Sが電線直径dの3倍以上離れていれば低減率は1です。

HIV・IV

HIVは「JIS C 3317 600V二種ビニル絶縁電線」に規定されています。
IVは「JIS C 3307 600Vビニル絶縁電線」に規定されています。
●用途:600V以下のキュービクル式受電設備用の低圧配線に使用します。
●特性 導体最高許容温度 HIV:75℃ IV:60℃
    HIV電線は、IV電線と比べ耐熱性があり、約20%許容電流を大きく取れます。
    HIV電線は、周囲温度が比較的高くても安定して送電可能です。
●許容電流値
 電線1本の場合の許容電流値を示します。
 電線カタログの周囲温度30℃、キュービクルの周囲温度40℃より両方の許容電流値を示します。
 周囲温度が異なる場合は、周囲温度補正値を参考に補正してください。
 電線3本の場合、間隔Sが電線直径dの3倍以上離れていれば低減率は1です。

EM-IE

EM-IE は「JIS C 3612 600V耐燃性ポリエチレン絶縁電線」に規定されています。
●用途:IVのエコ仕様
    環境に配慮した電線。柔らかく、RoHS2に対応しています。
●特性 導体最高許容温度:75℃
    ハロゲン及び鉛を含まない材料で構成しています。
●許容電流値
 電線1本の場合の許容電流値を示します。
 電線カタログの周囲温度30℃、キュービクルの周囲温度40℃より両方の許容電流値を示します。
 周囲温度が異なる場合は、周囲温度補正値を参考に補正してください。
 電線3本の場合、間隔Sが電線直径dの3倍以上離れていれば低減率は1です。

参考1:EM電線

産業廃棄物の環境汚染やその処理問題の解決が急務とされ、廃棄処理時の環境に与える影響を配慮したEM電線・ケーブルが開発され、使用が拡大してきています。

●EM電線・ケーブルの特徴
 1)被覆材にハロゲン元素を含まないため、焼却や火災時などに有害なハロゲン系ガスの発生がない
 2)被覆材に鉛などの重金属を含まず、土壌汚染のおそれがない
 3)燃焼時に発煙量が少ない
 4)腐食性ガスを発生しない
 5)耐熱温度が高いため品種によっては許容電流を大きく取れる
     ビニル;60℃→耐燃性PE;75℃
 6)被覆材料がポリエチレン系に統一されているため、リサイクル性が良い。

●電線の構造
 被覆を、ビニルから耐燃性ポリエチレンに変更しています。

参考資料:日本電線工業会ホームページ

参考2:KIV

盤内ではIVの代わりにKIVを使用する場合があります。
KIVは「JIS C 3316 電気機器用ビニル絶縁電線」に規定されています。
●用途:600V以下の電気機器の配線
    可とう性が求められる盤内
●特性:可とう性に優れており、柔らかく曲げやすい
    (導体の素線数が多く、素線径が細い)
    それ以外は、IVと同等です。
    導体最高許容温度:60℃

最後までお読みいただき ありがとうございます。

ガオ

筐体開発・設計に関わる情報を提供します。
初級設計者の一助になれば幸いです。

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