日射を受けて筐体温度が上昇し、内部機器の許容温度を超えてしまうことがあります。
空冷、水冷の冷却機器を取付けるより、色変更で対応できる場合もあります。
熱対策が必要ならば、外装色は明度の高い白系統の色を勧めます。
「明度が高い色(白・クリーム)を筐体に使用すると、日射による温度上昇し難い」
「明度が低い色(グレー・ブラウン)を筐体に使用すると、日射により温度上昇し易い」
を実験と文献から説明します。
実験より・・・明度が低いほど温度上昇する
●明度が低いほど筐体温度は上昇する。
●材質の違いより明度差による温度変化が大きい。
1. 実験:種々の筐体を屋外に設置してその温度変化を測定します。

1-1 実験方法
・筐体を南向きに向けて設置し筐体内の温度(筐体天井裏面)を測定する。
・筐体の寸法は横400mm×縦500mm×深さ200mm
・筐体の種類は、鋼板製(クリーム色、ベージュ色、ブラウン色)
樹脂製(クリーム色、グレー色)
1-2 測定結果 <実測値>

※測定場所の外気温度は38℃
※日射により筐体の表面温度は65℃以上、内部温度も60℃まで上昇しました。
1-3 実験考察
(1)筐体の天井温度は、明度の低い色ほど高くなる。
配電盤類でよく使用するクリーム色とベージュ色で10Kの温度差がある。
(2)材質の違いより明度差による温度変化が大きい。
色の違いによる温度差は、樹脂製クリーム色と鋼鈑製ブラウン色で21Kある。
※明度とは?
色の三属性(色相・彩度・明度)のうちのひとつで、物体の明るさを表します。
反射率100%の白色の面の明度を10として,0〜10の数値で表示されます。
無彩色は明度だけをもち,黒〜灰〜白の順で明度が高くなります。

文献より・・・明度が高いほど日射反射率が高く、温度上昇しない
2-1.明度と日射反射率の関係
<実証試験報告書※1より>
日射光は紫外線、可視光線、近赤外線からなり可視光線域のエネルギーが約半分を占めます。
明度が高いほど(白いほど)可視光線のエネルギーを多く反射し、日射反射率が高くなります。
一般的に白色は、近赤外線の反射率も高くなります。
近赤外線域も反射するために日射反射率がより高くなります。
※1 建築物外皮による空調負荷低減等技術実証試験結果報告書
(環境省平成20年度環境技術実証事業)より
※2 一般の明度(V)と日射反射率(ρ)%の関係は次式の通りとする。
ρ=0.9×{(10×V+16)/116}3×100
※3 波長範囲(全波長域)は300nm~2500nm

色 | 黒色 | 灰色 | ベージュ色 | クリーム色 | 白色 |
明度 | 2.6 | 6.0 | 7.0 | 9.0 | 9.8 |
反射率 | 4% | 25% | 37% | 70% | 85% |
2-2.高反射率塗料
・明度Vが10に近い白色は、一般塗料と高反射塗料との日射反射率の差は無く同等の効果です。
・高反射率塗料は、近赤外域での反射率を高くする技術を使用し、灰色又は黒色でも日射反射率を
高くする機能を持っています。
明度V=2.6(黒色)の場合、日射反射率4%、明度V=6(灰色)の場合、日射反射率25%、
では灰色/黒色では明らかな差が見られます。
まとめ
日射の影響を受け難くするには、外装色に明度が高い白色・クリーム色を使用する。
明度を高くして日射エネルギーを反射する。
参考文献
参考文献:環境省 平成20年度環境技術実証事業 ヒートアイランド対策技術分野
(建築物外皮による空調負荷低減技術)実証試験報告書
最後まで見ていただき ありがとうございました。
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