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板金材料とは🤔?知っておくべきこと(鋼鈑選定3)

材料


加工現場、板金屋さんと打ち合わせする際、知らない言葉があると恥ずかしい😓ですよね。
板金設計 初心者の方に知っていただきたい鋼鈑選定に関わる内容を選びました。
一度読んでいただければ「ハイハイ知ってます」の状態になれます。 😊御覧ください。

板金材料とは

●板金材料には主に以下の種類があります。
 1-1 鉄鋼
   ①軟鋼板(広く用いられる材料)
    SPHC:熱間圧延軟鋼鈑       <通称:サンセン
        赤い熱い状態のままロールで伸ばして鋼鈑にしたものです。
        黒色の酸化被膜が付着したものを「黒皮」と呼び、
        酸で黒皮の酸化被膜を除去したものを「酸洗」と呼びます。
    SPCC:冷間圧延鋼鈑        <通称:ミガキ
        SPHCの酸化被膜の酸化被膜を除去したのち、常温で圧延加工したものです。
    SS:一般構造用圧延鋼鈑  [代表種類:SS400]
   ②表面処理鋼鈑
    SEHC・SECC:電気亜鉛めっき鋼鈑  <通称:ボンデ(商品名です)>
    SGHC・SGCC:溶融亜鉛めっき鋼鈑 <通称:シルバージンク(商品名です)>
    プレコート鋼鈑、すずめっき鋼鈑   <通称:ブリキ>
   ③ステンレス鋼鈑      [代表種類:SUS304-2B]
    Cr系(磁性有)
       マルテンサイト系、 SUS403 <通称:13Crステンレス> 硬度が高い。
       フェライト系    SUS430 <通称:18Crステンレス> 安い。
    Cr-Ni系(磁性無)
       オーステナイト系  SUS304 <通称:18-8ステンレス> 使用量が多い

鋼種代表 耐食性  磁性 加工硬化
マルテンサイト系SUS403有り有り
フェライト系SUS430有り有り
オーステナイト系SUS304無しかなり有り

   ④その他
 1-2 非鉄
   ①アルミニウム板及び合金  [代表種類:A5052P]
   ②銅板及び合金       [代表品種:C1100P]
   ③その他

定尺材とスケッチ材とは

●主に使用される軟鋼鈑は、大きさが決まっている「定尺材」と鋼材問屋(コイルセンター)が
 注文寸法に切断する「スケッチ材」があります。 
  鋼鈑の定尺材は次の通りです。
   3フィートx6フィート  サブロク材  914x1,829 (mm)
   4フィートx8フィート  シハチ材  1,219x2,438 (mm)
   5フィートx10フィート  ゴトー 材  1,524x3,048 (mm)
   
   ※シハチ材が入手が容易で多用されます。
   ※定尺材は2トン包装以上で売買されることが多いです。
   ※ステンレスやアルミは1mx2mの定尺板が多用されます。
   ※多量の部品を外形抜きする場合、定尺よりコイル材やスケッチ材を使用した方が
    歩留まり向上や切断工数削につながりコスト低減になる場合があります。検討ください。

●使用材料の大きさは、
  ①ワークのサイズ、形状
  ②レーザ切断機、タレットパンチプレス機の加工可能サイズ
  ③ワークの生産数量
     を考慮して選定してください。
 

鉄鋼材料記号の見方

●鉄鋼材料の記号には以下のような意味があります。
  S P C C    S US 304   S S 400   S E C C   S G C C
  ① ② ③ ④    ① ②  ③     ① ②  ③     ① ② ③ ④   ① ② ③ ④

 ①は材質を表します。     S:steel 鋼
 ②は規格、製品名を表します。 P:Plate 薄板
                US:UseStainless 特殊用途ステンレス 
                S:Structure 一般構造用
                E:Electrolytic zinc-coated 電気亜鉛めっき
                G:Hot-dip zinc-coated 溶融亜鉛めっき
 ③は種類を表します。     C:Cold 冷間
                H:Hot 熱間
                304:種類番号、  400:最低引張強さ 
 ④は種類を表します。     C:Commercial 一般用表面処理鋼板の種類

炭素鋼の5大元素とは

●炭素鋼の5大元素とは
 炭素鋼はFeとCの合金で、ほかにSi、Mn、P、Sが含まれます。
 これを鉄の5大元素と呼びます。 

 炭素 C   :Cの含有率により鉄鋼の性質(強度/硬さ)は大きく変わります。
         硬さと粘り強さは反比例の関係にあります。
         Cの量により軟鋼(0.2%~0.34%)、硬鋼(0.5%~0.8%)の区分があります。
         C1%について引っ張り強さを約980N/㎜2増す効果があります。
         焼き入れの効果にも影響します。
 けい素 Si :降伏点と引張り強さ、耐熱性に影響します。
         Si1%について引張り強さを約98N/㎜2増す効果があります。Cの1/10の効果。
 マンガン Mn:靭性を向上させます。高張力鋼には1.2~1.5%含まれています。
         焼きが入りやすくなります。
 りん P   :加工性を向上させる一面はありますが、通常少ない方が良質とされます。
         低温脆化、溶接性低下につながります。普通0.03%以下です。
 硫黄 S   :切削性を向上させる一面はありますが、通常少ない方が良質とされます。
         高温脆化につながります。普通0.03%以下です。

おまけ 材料名は正確に表記しましょう。(SPHCと表記したら黒皮がきた)

大昔の話
図面に「SPHCt1.6」と記載して、新規取引の業者に試作を発注しました。
数日後、試作が納入されて困惑しました。
黒皮付のため塗装ができないのです。

従来の業者は、SPHCの図面指示に酸洗材を使用してくれていました。
本来、塗装するために「ミガキ」が欲しいので「SPHC-P」と表記するべきでした。
「-P」の指示不足に気がつきませんでした。

また、新規取引業者から製作前に「ミガキ」ですか?と問い合わせがあったのですが、
「SPHC」と伝えただけで行き違いがありました。
当時、私は「黒皮」「酸洗い」「ミガキ」の呼称と記号をあやふやに覚えていたためです。

図面=契約ですので、図面の誤記を痛感した思い出です。

まとめ

・初心者の方は鋼板材料の種類記号及び通称を覚えてください。
 現場の話がわかるようになります。
・鋼板の特徴を生かした設計を進めてください。

参考資料
  アマダスクール 板金材料読本
  大和久重雄 著 鋼のおはなし

最後まで見ていただき、ありがとうございました。

ガオ

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初級設計者の一助になれば幸いです。

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材料金属
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